Hypertension高血圧

高血圧とは?

高血圧とは?

中高年の方のうち、10人に3~4人は高血圧と言われていて、現在も患者数は増加傾向にあります。
心臓が収縮して血液が送り出されている時の最も高い血圧のことを“収縮期血圧”、と言い、心臓に血液が戻って来る時の最も低い血圧のことを“拡張期血圧”と言います。
2019年に発表された日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室でのくり返しの測定で収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上と、どちらか片方でも基準値を超え、安静にしていても慢性的に血圧が高い場合に高血圧と診断されます。また、家庭血圧値では収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上で高血圧と診断されます。

収縮期血圧(mmHg) 拡張期血圧(mmHg)
診察室血圧 ≧140 かつ/または ≧90
家庭血圧 ≧135 かつ/または ≧85

また、高血圧診断は診察室血圧と家庭血圧により、
①非高血圧、②白衣高血圧、③仮面高血圧、④持続性高血圧
に分類されます。

当院では家庭血圧を重視しており、持続性高血圧、仮面高血圧に対して積極的に治療しています。白衣高血圧に対しては、患者様のリスク評価を行った上で必要な方には治療を追加しています。

高血圧が続くと…

血圧が高い状態が続くと、血管の壁に負荷がかかって徐々に厚くなり、動脈硬化を進行させることになります。
そして動脈硬化が進行すると心臓にも負担がかかり、心肥大などの様々な心疾患の原因となる場合があります。
さらには動脈硬化により脳への血液供給量が減少してしまうと、脳梗塞や脳出血などを引き起こす恐れがあります。

高リスクの方にはもちろん早期治療をお勧めしますが、低リスク、中等リスクの方であっても必要に応じて治療が必要な場合があります。

診察室血圧によるリスク評価

高値血圧
130-139/80-89
mmHg
Ⅰ度高血圧
140-159/90-99
mmHg
Ⅱ度高血圧
160-179/100-109
mmHg
Ⅲ度高血圧
≧180/≧110
mmHg
リスク第一層
予後影響リスクがない
低リスク 低リスク 中等リスク 高リスク
リスク第二層
年齢(65歳以上)、男性、脂質異常症、喫煙のいずれかがある
中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク
リスク第三層
脳血管病既往、非弁膜症性心房細動、糖尿病、蛋白尿のある慢性腎臓病のいずれか、またはリスク第二層の危険因子が3つ以上ある
高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

高血圧の治療は?

高血圧の治療は?

高血圧の治療は大きく2つで、生活習慣の改善とお薬を使った治療です。血圧の治療目標は年齢や疾患によって設定されます。

診察室血圧(mmHg) 家庭血圧(mmHg)
75歳未満 注1 130/80 125/75
75歳以上 注2 140/90 135/85

※注1 脳血管障害患者(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)、冠動脈疾患患者、慢性腎臓病(蛋白尿陽性)、糖尿病患者、抗血栓薬服用中患者
※注2 脳血管障害患者(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり)、慢性腎臓病患者(尿蛋白陰性)

生活習慣の改善

塩分過多な食事を避けて、バランスのとれたメニューを心がけて血圧を下げるようにします。
また運動療法も大事で、無理のない範囲での運動を続けることで基準値へ向けて血圧をコントロールすることができるようになります。
食事・運動以外にも、過度な飲酒を避けたり、禁煙したりすることも重要となります。

お薬を使った治療

高血圧の薬物療法として、主に降圧剤などを使用して血圧のコントロールをはかります。
ただし、あくまでお薬の使用は治療の補助的な目的で、治療の中心となるのは“生活習慣の改善”であることを忘れないようにしましょう。

目標とする数値を一緒に目指しましょう

兵庫県尼崎市のかねこ内科循環器クリニックでは、患者様ごとに目標とする数値(血圧値)を設定し、なぜその数値を目指さなくてはいけないのか、今のままの状態だとどうなるのか、きちんとお伝えして一緒になって目標値の達成を目指します。
他院で漠然と「血圧を下げてください」と言われたものの、なかなか治療へのモチベーションが上がらず中断してしまったような方も、是非一度当院へご相談ください。

高血圧の管理方法について

当院では高血圧の患者様のための血圧管理として、“Welby(ウェルビー)”というアプリを導入しています。
スマートフォンで簡単に毎日の血圧が記録でき、記録はクラウド上に保管されるので安心です。
「血圧をきちんと管理したいけど、毎日の記録が面倒」「忙しくてすぐに記録するのを忘れてしまう」という方などにおすすめです。
アプリの機能はすべて無料でご利用いただけます。

アプリへご入力いただいた記録は、医師や管理栄養士、ご家族などと共有することができ、スムーズに血圧コントロールのためのアドバイスが受けられます。

血圧以外にも、体重、運動量、食事などの情報も入力することができるので、自分で自分のからだについて管理がしやすくなり、生活習慣病のある方には特にお勧めです。

「アプリで管理する自信がない」という場合は?

スマートフォンの操作が苦手で「アプリで毎日の血圧を記録・管理する自信がない」という場合には、従来通り血圧手帳をお渡しして、それを使って日々の血圧管理を行っていただいております。
ご自宅に血圧計がない方には貸出も行っておりますので、お気軽にお申し出ください。

管理栄養士による栄養指導

生活習慣病の改善のためには、毎日の食事の見直しが重要です。
当院では管理栄養士と連携して、生活習慣病と診断された方へ初回30分・2回目以降20分の栄養指導を行っています。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、肥満・メタボリックシンドロームといった生活習慣病の方へ、最適な食事療法をご提案いたします。

二次性高血圧

二次性高血圧とは?

高血圧は、原因が明らかでない“本態性高血圧”と、何らかの病気が原因で高血圧となる“二次性高血圧”に分けられます。
日本人の場合、高血圧全体の90%程度を本態性高血圧が占め、残り10%程度が二次性高血圧だと言われています。

本態性高血圧の原因

原因のはっきりしない高血圧で、体質のほかに、塩分の過剰摂取、過度な飲酒、喫煙、運動不足、肥満、ストレスなどが原因で起こると考えられていて、生活習慣病の一種に加えられています。
一般的に高血圧と言う場合、この本態性高血圧を指します。

二次性高血圧の原因

二次性高血圧の原因疾患として、原発性アルドステロン症、クッシング症候群・クッシング病、褐色細胞腫、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、腎血管性高血圧、腎実質性高血圧などの腎臓疾患が挙げられます。
その他、睡眠時無呼吸症候群や大動脈縮窄症、お薬の副作用などが原因となる場合もあります。

二次性高血圧の検査

次のような症状がある場合、二次性高血圧が疑われるため検査を行います。

■二次性高血圧が疑われる症状

・若年代(30歳以下)での高血圧
・突然高血圧が発症・進行した
・収縮期血圧180mmHg以上または拡張期血圧110mmHg
・降圧剤を使っても血圧がコントロールできない

こうした症状がある場合に行われる検査として、主に尿検査、血液検査、腎機能検査、エコー検査(腹部エコー検査)などがあります。

二次性高血圧のスクリーニング検査

二次性高血圧のスクリーニング検査として安静時に採血を行います。当院では、前日の21時から絶食で(水やお茶は飲んでいただいて大丈夫です)、朝9時または9時半に来院していただきベッドで30分間仰向けになって休んでいただいた後に採血します。アルドステロンやアルドステロン・レニン活性比、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、コルチゾール、TSH(甲状腺刺激ホルモン)、FreeT4(遊離サイロキシン)、血中カテコラミン3分画などを確認します。検査結果が陽性で、より専門的な検査が必要な場合には連携する専門機関をご紹介いたします。

二次性高血圧の治療

原因疾患に応じて適切な治療を選択

二次性高血圧は本態性高血圧と違い、食事や運動などの生活習慣の改善だけでは血圧を下げるのは難しいです。
また、通常の降圧剤だけでは効果が得られない場合があります。

二次性高血圧の治療では、血圧上昇を招いている原因疾患をしっかり確認し、それに応じて適切な治療を行うことになります。
原因疾患を治療することで、血圧を下げることが可能となりますので、高血圧だけでなくその他の自覚症状がある場合には、二次性高血圧を疑って一度検査を受けられるようにしましょう。

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